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飲んだら逮捕?!飲酒パイロットの転落人生【上空に警察はいない】

こんにちは、かぴ男です。エアラインパイロット10年やってました。

いきなりですが、質問です。あなたは、飛行機の乗客です。パイロットが、ほろ酔いだったら、どうしますか?乗客が愛する妻や子供だったら、どう思いますか?

ここ近年、泥酔パイロットがニュースになっています。本当にパイロットは、お酒を飲んで操縦していないのでしょうか。パイロットのアルコール検査は、どんな仕組みなのでしょうか。お酒好きのあなたでも、パイロットになれるのでしょうか。

この記事では、パイロットと飲酒について、解説していきます。今回は、ちょっとマニアックなお話になります。あなたは、どこまでついて来れますか?この記事を読めば、「お酒好きでもパイロットになれるのか」「あなたの乗る飛行機のパイロットが、どんなアルコール検査を受けているのか」が、簡単に理解できます。

JAL副操縦士、飲酒で逮捕

このニュースが飛び込んで来た時は、目ん玉飛び出ました!

 

 

ニュースをまとめる、「アルコール基準値の9倍を超え、操縦しようとしたら、逮捕された」って、話。挙句の果てには、会社もクビ。

確かに、この事実も驚いたのですが、「他のパイロットは本当大丈夫なの?」って、疑いを持ってしまいました。だって、今回、たまたま気づいたからいいけど、ほとんどが気づかないはずです。今まで墜落した飛行機、実は飲酒操縦が原因だったりして。

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なぜパイロットは、お酒を飲んで操縦してはいけないのか?

お酒を飲んで車を運転していけないように、パイロットもお酒を飲んで、飛行機を操縦してはいけません。

 

男性の口コミ
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でも、空には警察がいないじゃん!どうやって、飲酒操縦を取り締まるの?飲んでもバレないじゃん!

 

と、声が聞こえてきそうです。

「飲酒をすれば、判断力が鈍り、正常な操縦ができません」というのは、当たり前のこと。

しかし、パイロットの飲酒には、厳格なルールが定めれています。どの航空会社にも共通して言えることは、

 

飲酒はフライト前、最低8時間空けないといけない(社内ルール優先)

 

大前提として、飲酒に限らず、パイロットに関するルールは、数々の規程で定められています。ほとんどの規程類は、ネットで簡単に見ることができます。よりマニアになりたい方は、一読を!

パイロットの関するルールは、以下の規程に書かれています。

  1. 航空法
  2. 告示・通達
  3. 社内ルール

 

航空法

まずは、航空法。航空法なしでは、空は飛べません。飲酒に関して見ると、航空法第70条に関連する記載があります。正直な話、航空法めちゃめちゃわかりづらいです。現役パイロットも苦戦しています。しかし、守らなきゃいけないんです!

 

航空法 第70条 (アルコール又は薬物)
航空機乗組員は、アルコール又は薬物の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。

 

 

男性の口コミ
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正常な運航ができないおそれがある場合って…

 

すごく抽象的で、具体性がありません。航空法だけ見てしまうと、「お酒の強い人は3時間前でもOK!」みたいなことに、なってしまいます。

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告示・通達

告示・通達とは、航空法をより具体的に明確化したもの。アルコール関連の法律・告示・通達に関連するものは、航空局がちゃんとまとめてくれています。ちょっと、堅苦しいので、飛ばしてもOK。

簡単に言うと、告示・通達では、『アルコールの検査要領』と『検知された時の要領』が、詳しく書かれています。

1.飲酒基準の主な項目
【全ての操縦士を対象】

(1)数値基準の設定(局長通達)
航空法第70条で禁止するアルコールの影響により正常な運航ができないおそれのある状態での運航について、一定の目安となるアルコール濃度を明確化
(血中アルコール濃度:0.2g/ℓ以上、呼気中アルコール濃度:0.09mg/ℓ以上)

【本邦航空運送事業者を対象】
(2)アルコール検査の義務化(運航規程(法第104条)の記載項目の追加(課長通達))
〇乗務前後にアルコール検査を実施 (アルコールが検知された場合は乗務禁止)
〇検査時の不正(なりすまし、すり抜け)を防止する体制を構築
・検査時の第三者の立ち会い(モニター等の活用も可)
・一定の呼気量によりアルコール濃度を数値で表示可能な機器の使用
・検査結果(日時、名前、数値等)の記録・保存
〇飲酒後8時間以内の飛行勤務を禁止、 〇酒気を帯びての飛行勤務を禁止

(3)アルコール教育の徹底等(安全管理規程(法第103条の2)の記載項目の追加(局長通達))
〇経営者を含む全関係職員に対し定期的なアルコール教育を実施
〇依存症職員の早期発見・対応のための体制(職員への教育やカウンセリング等)を整備

(4)航空局への報告の義務化(法第111条の4の報告対象に追加(室長通達))
飲酒に係る不適切事案(不適切なアルコール検査の実施等)の航空局への報告義務化

(5)飲酒対策の体制強化(安全管理規程(法第103条の2)の記載項目の追加(局長通達))
安全統括管理者の責務としてアルコール教育やアルコール検査等の飲酒対策を明確にするとともに、これに必要な体制を整備することを義務化

参照:操縦士の飲酒基準について

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飲酒問題が勃発する前は、ほとんどの航空会社はアルコールチェックの義務はなく、自己申告でした。でも、今回、この通達が発行されたことにより、フライト前にアルコールチェック、フライトの合間にアルコールチェック、フライト後もアルコールチェックをしなければなりません。しかも、忘れたら、ニュース沙汰です。現役パイロットからは、不平不満をよく聞きます。しかも、悪いことしてないのに、警察見るとドキドキするように、飲んでないのに、アルコールチェックは毎回ドキドキします。だって、鳴ったら、クビですから!

社内ルール

社内ルールとは、航空法・告示・通達で定められたルールを基準に、会社ごとに決めたルール。基本的に、航空法・告示・通達以上に厳しいルールが、定められています。

例えば、

ANAの場合、乗務開始12時間は飲酒禁止

参照:ANA 飲酒に関する航空法等の遵守の徹底について(報告)

JALの場合、乗務開始12時間前飲酒禁止

参照:JAL 近年のトラブルへの対応状況

まとめ

2019年、2020年と、航空業界のアルコール事情が、赤裸々になりました。それに対して、アルコールチェックの明確化など、たくさんの対策が取られ、安全にまた一歩近づいたのではないでしょうか。

しかしその反面、パイロットにとっては、とても面倒なことになっています。毎回のアルコールチェック、基準値超えたら、解雇の罰ゲーム。当たり前と言ったら当たり前なのですが。

このブログでは、CA・パイロット・航空業界のことを、赤裸々に解説していきます。あなたの不安を少しでも、軽減するために、一生懸命書いています。

何か質問がありましたら、ツイッターDMインスタDM もしくは、お問い合わせお待ちしております!最近は、質問が多いので、お時間かかるしれませんが、必ずお答えしてきます!

では。

おわり。

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