こんにちは、かぴ男です。エアラインパイロット10年やっていました。
コロナの影響で、YS-11以来の国産旅客機、三菱の「スペースジェット」が、とうとう事業凍結を発表。あなたは、事業凍結の意味わかりますか?あなたの生活に影響が出ること知ってました?
この記事では、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の事業凍結について、元パイロットである僕が、内部事情を大暴露しちゃいます!ここだけの話にしてください!もしかしたら記事を消さないといけなくなるかもしれません。
この記事を読めば、航空機から航空業界の未来が、簡単に想像できます。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」事業凍結とは?
あなたは、事業凍結の意味わかりますか?
事業凍結とは簡単に言うと、
「一旦止めるけど、またいつかやるかもよ!?」って、こと。
そして、またいつかは、ほとんど場合起こりません。つまり、事実上中止の意味。開発にかかる費用と時間を考えると、苦渋の決断だったはず。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」事業凍結、航空会社への影響は?
参照:MRJ
まず「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の受注数は、世界で約300機程度。日本国内では、ANAグループ(25機)とJALグループ(32機)の2社です。
そもそも航空機は、車と一緒で半永久的に使えるものではありません。どの航空会社も約25年程度で、売却しています。ANAは、経営が厳しいから、もっと早く売るみたいだけど(悲)
で、新しい航空機が入ってくるってことは、航空会社は、路線計画・人材計画・整備計画を考えているわけ。
それが、全部白紙です。
航空機は、買わなければなりません。だって、約25年で使えなくなるから。
じゃあ、航空会社は何をするのか?
もう一度、
- 新規航空機の検討
- 路線計画の再考
- 人材計画の再考
- 整備計画の再考
です。
つまり、コロナ禍で経営状態が厳しいのにかかわらず、もう一度、費用と時間を費やすのです。
あなたが車買うとき、納車間近で、「やっぱり車が来ません」と言われたどうですですか?もう一度、時間をかけて再考し、お金と時間をかけて他の車探しますよね?航空機も一緒です。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」は、実はラッキーだった。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」は、6度の納期延長してきました。あなたの車が6回も納期延長されたら、怒りますよね?
ここからは、元パイロットの僕の見解です。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」は、コロナに救われたと思います。
開発かけた費用は、約1兆円。やめるにやめられなかったんだと思います。
心理学の世界では、「サンクコスト効果」と言います。
人間は、時間とお金を費やせば費やすほど、損失をわかっていても、辞められなくなってしまうのです。
例えば、資格取得のために、何冊も参考書を買って、何年も勉強に費やしてきたら、辞められませんよね?
ほんとは、どんだけお金と時間を費やしたとしても、現状がゴールに近いのか遠いのかを、合理的に判断しなければなりません。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」のパイロット間での評判
パイロットの間では、あまり評判はよくなかったですね、正直。大型機に乗ってる人たちからしたら、眼中になく、話題にもなりません。
小型機のパイロットからは、「性能が悪くなるから、乗りたくない」との声が大きかったです。そもそも、パイロットの機種以降って、面倒なんですよね。
新しい飛行機に乗りたい!っていうパイロットもいるんですけど、僕は嫌でした。
なぜかと言うと、また免許とらないといけないから。また、訓練して、試験受けて、ぴりぴりしなきゃいけないからです。
それなら、何もかも知りつくしてる飛行機とのんびり飛んでたいと言うのが、僕の意見。まぁ、その分、成長もなく、惰性で飛んじゃうんですけどね。
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」新しい風が必要
航空業界、体育会系が多く、少なからず年功序列の風習が未だに、日本の空では続いています。全員とは言いませんが、「先輩に従え!」風習が強いんです。
ここから、元パイロットも僕の見解ですが、
「三菱スペースジェット(旧MRJ)」もそんな風習があったと思います。やはり古い人間は、自分の経験や古い知識に頼り勝ちになります。もちろん、温故知新とことわざがあるように、昔の知識が役立つことがあります。
でも、航空業界のお年を召された方は、古い知識に頼り勝ちです。
僕の想像ですが、三菱の開発者は天才中の天才で、素晴らしい能力を持っていると思います。でも、日進月歩で航空機の技術は、進んでいます。
外国から新しい知識を、三菱が受け入れなかったことに、原因があると僕は考えます。現にこんなニュースが出ています。
航空業界に限らず、日本って、「出る杭は打たれる」マインド。島国だからでしょうか。良いものは、良いもの。それでいいと思うのですが、日本の会社は、良いものでなく、どこからの良いものか、気になるみたいですね。
まとめ
また国産ジェットに機体を膨らませていた人も多いのではないでしょうか?僕も残念です。日本は車は強いのに、なぜ飛行機は作れないのでしょうか?不思議ですね。
本記事では、国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の事業凍結について、パイロット目線で分析しました。いかがだったでしょうか?
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最近は、質問が多いので、お時間かかるしれませんが、必ずお答えしてきます!
では。
おわり。