こんにちは、かぴ男です。エアラインパイロット10年やっていました。コロナの影響で、航空会社は火の車。赤字・赤字・赤字のオンパレード。
そんな中、ANA HD(以下ANA)が公式に事業改革を発表しました。日本の空はどうなってしまうのでしょうか?こんな状況では、将来、あなたの子供たちは飛行機に乗れないかも知れません。
この記事では、ANAの公式事業改革を、元パイロットの僕の立場から、おばあちゃんにもわかるように、徹底解説していきます。難しい言葉は、使いません。
この記事を読めば、航空機から航空業界の未来が、簡単に想像できます。そして、ANAの未来も。
ANA 事業改革 5つの柱
2020年10月17日に、発表されたANAの事業改革は、大きく分け5つの柱から成り立ちます。
簡単に言うと、
- 持ってる飛行機売っちゃいます!
- 持ってる社員、他の会社で働いて!
- 給与減らします!
- 低運賃の航空会社作ります!
- 個人情報、グループ内で使いまわします!
って、こと。
ちょっと、難しく言うと、
- 2021年3月までに、保有機材を33機を減らす。
- 2021年春までに、400人以上をANAグループ外に出向
- ANA従業員の給与3割カット目標
- 中距離国際線を狙った新LCCの立ち上げ
- ANAグループで、顧客情報を活用。航空以外を強化。
それでは、個々に、おばあちゃんにもわかるように、解説していきます。
2021年3月までに、保有機材を33機を減らす。
ここが、航空会社にとって一番重要な発表です。
ANAの保有機材307機から、33機を減らすと発表。割合で言うと、約11%。
需要のない飛行機を減らして、整備費用、中期費用、人件費を減らす狙い。飛行機は、地上にいる時は全くお金を稼ぐことはできません。空に飛んで、やっとお金を稼げます。コロナの営業で、地上でお寝んねしている飛行機を、売却・契約解除すると発表しています。
簡単に言うと、会社規模を小さくすること。
機体売却については、違う記事で詳しくと解析してますので、こちらをどうぞ。
2021年春までに、400人以上をANAグループ外に出向
ANAの公式HPによれば、ANAグループ社員数は、 45,849人。割合で言うと、1%以下。まぁ400人以上となっていますで、40,000人の可能性もありますね(笑)
単純にはいきませんが、航空機を約11%減らすだから、従業員も約11%不要になります。つまり、5,000人くらいは不要になるってこと。
その就航先として上がっているのが、
- 家電量販店 ノジマ
- 成城石井
- 鳥取県庁
- トヨタ
などの候補が上がっています。
ここからは僕の想像ですが、
出向するANA社員は、相当苦労すると思います。なぜなら、「私たちは、ANA!」という、自負があるから。思い出してください。JALが経営破綻した時のこと。
ノジマなどの出向先は、受け入れてあげてる側。でも、出向するANA社員としては、プライドを捨てきれません。
そしてもう一つ、ANAの経営陣は、そのままANAを退社してくれたらラッキーと思っているでしょう。自己都合退職として。
ANA従業員の給与3割カット目標
給与の3割カットって、結構きつくないですか?
月収30万円の人が、21万ですよ?
パイロットの平均年収2000万も3割減なら、1400万。まぁ、一律3割って言うのは平等っちゃ平等なんでしょうけど、所得が低ければ低いほど、生活が厳しくなりますよね。
ちなみに、一般の人に知られていないパイロットの給与は、別記事で大暴露しています(汗)
中距離国際線を狙った新LCCの立ち上げ
ANAグループが、中距離国際線LCCを計画。JALのZIP AIRに対抗するためでしょうか。
しかし、この新規LCCの計画は、元々ANAグループだったAIR JAPANをLCC化するもの。外国人パイロットを雇い、契約・契約解除を簡単にして、経営をやりやすくするみたい。
ここからは、僕の意見ですが、LCCは儲からないと思います。なぜなら、高い搭乗率を維持しなけらば、黒字化は難しいからです。
こういうと、「GO TO トラベルが大盛況なのに?!」と突っ込まれそうです。
結論から言うと、GO TO トラベルはいつまでも続きません。さらに、企業の出張などでLCCは、使いづらいです。
何を言いたいかというと、
GO TO トラベルは一時的
↓
GO TO トラベルで使った費用は、国民の増税でまかなう
↓
LCCの大口顧客である旅行者は減る
という、流れ。なぜ、ANAグループはLCCをもう一つ作るでしょうか。
ANAグループで、顧客情報を活用。航空以外を強化。
航空会社からしたら、顧客情報を使い回し、顧客のニーズに応じたサービスや商品を営業できることは、良いことです。
しかし、お客さまであるあなたの立場から、考えてみてください。
あなたの趣味や住所などの大切な個人情報が、ANAグループ内で筒抜けです。航空会社にとってはいいことでも、お客さまにとってはあまり気持ちいいものでは、ありませんね。
まとめ
本記事では、2020年「ANAの構造改革」について、解説しました。いかがだったでしょうか?
これからの数年、航空業界は過去にない暗黒時代に突入するでしょう。
航空業界を目指す人、航空業界で働く人、他人ごとでなく、自分のことのように、考えることが大切です。明日は、我が身。近い将来、あなたのクビが飛ぶかもしれません。
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では。
おわり。