こんにちは、かぴ男です。パイロット10年やってました。
コロナの影響で、航空業界が歯を食いしばって頑張っている中、ANAHDに続き、JALの決算発表がありました。
その内容は、「再上場以降、過去最大の赤字」。
本記事では、JALの決算の要約とお金の面から「今後、JALはいつまで持つのか」を徹底解析します。難しい用語は使いません。おばあちゃんにもわかるように、あなただけに、ご説明します。
これを読めば、JALの現状、未来が、簡単にわかります。明日から、同僚にドヤ顏して、経済を知ったかできます。
JAL 決算 2021年 まる裸に!
もう一度言います。
「JALは、再上場以降、過去最大の赤字」。
さぁ!詳しく解説しています!
今回発表されたのは、「JALの2021年3月期 決算短信」。どうして経済用語って、難しい用語ばっかりなんでしょうね…でも、大丈夫。僕が、ちょう簡単に説明します。
2021年3月期とは、「2020年4月1日から2021年3月31日までの期間」を言います。決算短信とは、「決算を短くまとめた速報版」を言います。
つまり、
「2020年4月1日から2021年3月31日までの期間の決算の速報版」
決算短信は、速報版なので、ちゃんとした決算発表が6月31日までに発表されます (JALの場合)。
それでは、決算内容を詳しく、分かりやすく、スピーディーに見ていきます。
決算内容
今回の決算で、一番気になるのは、赤字額。「JAL大赤字2866億!」と言われても、桁が違い過ぎて、一般人には想像がつきません。比較するために、過去の赤字額を見ます。
JALが倒産したの2009年。倒産前の赤字額をご覧ください。再上場後は、全て黒字となっているので、倒産前の過去20年と比較します。
2009年にJALは倒産したので、1989年から2008年までの決算を見ます。この20年で、一番大きい赤字は、2003年の886億円。SARSが大流行した年です。
僕も知らなかったのですが、赤字の年、多すぎません?20年間で、12年間は赤字。そりゃ、潰れますよね。で、振り返ります。
2003年度の赤字は、886億円。2020年度の赤字は、2866億円。
つまり、新型コロナの影響のSARSの3倍以上と言うこと。
よく勘違いされるのが、「赤字=倒産」。はっきり言います。これ、間違いです。倒産の理由の1つに赤字があるだけで、赤字だから必ずしも倒産するわけではありません。倒産については、次の章でおばあちゃんにもわかるように、ご説明します。
JALの貯金は、いつまで持ちこたえるのか。2021年版
結論から言います。
JALの倒産の可能性は、この先2年以内はかなり低い。
それには、大きく分けて3つの理由があります。
- コミットメントライン3000億円
- 増資
- ワクチン接種
これらの詳細を見る前に、JALのお財布事情を見ていきましょう。ここでは細かいことは気にせず、誰でもわかるように解説します。
2020年度、JALは、3541億円の支払い義務がありました。。そして、2020年度末には、4394億円のお金を持っています。
仮に2021年度も航空業界は回復せず、2020年度と同じ3541億円の支払い義務が発生しても、お金を4394億円持っているので、約1年3ヶ月は、黒字にならなくても生き延びられる計算になります。
例えると、あなたは150万円の貯金があります。家賃や食費などで出費がかさみ、給与が足りず、毎月10万円を貯金から取り崩してるとします。そうすると、約1年3ヶ月後には、貯金が0円になります。まさにこの状態が、現状のJAL。
さらに、3つの対策も追加されるので、この先2年(2022年度末)までの倒産はないと見込まれます。
- コミットメントライン3000億円
- 増資
- ワクチン接種
これら、3つの対策を詳しく、ちょう簡単に解説します。
コミットメントライン3000億円
コミットメントラインとは、”借金の約束”です。「もしもピンチになったら、お金借りるからね」っていう、約束。ピンチの時は、確実にお金を借りれるので、安心ですね。しかも、その額3000億円。
増資
はい、来ました!経済用語…「なんじゃそら!」と思った人。待ってください!僕が、簡単に説明します。増資とは、AKBのファン投票権みたいなもの。
ファンは、投票権付きのCDにお金を払えば、AKBはお金を調達でき、ファンは投票の権利を得ます。JALの場合は、新規に株を発行し、株を買ってもらったら、JALはお金を調達でき、株主は経営に参加する権利を得ます。
つまり、新しい株を発行することによって、お金を調達する作戦です。
ワクチン接種
2021年5月現在、日本のワクチン接種率は、世界129位。100人に1人しか、打ててないこと。自販機で当たりが出る確率と同じ。
つまり、まだまだ接種済み人数が少ないってこと。
何が言いたいかと言うと、現在、乗客数はどん底付近で、ワクチン接種が広まれば、広まった分だけ乗客は、戻ってくる。しかも、その伸びしろは大きい。と言うこと。
まとめ
貯金の面から見ると、JALはこの先2年は、倒産の可能性はかなり低いことになりました。確かに、倒産の可能性は低いのですが、当分の間は借金を抱えながらの経営になりそうです。何が言いたいかと言うと、航空会社社員にとっては、給料や待遇の改善は見込まれないこと。そして、何より航空会社社員の一番の魅力である「社割航空券」が使いずらくなること。なぜなら、大型機を退役しまくって、路線も縮小しているので、航空会社社員の乗れる席がなくなってしまうから。
これからも、航空会社・パイロット・CAのこと、惜しみなく情報発信してきます。
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最近は、質問が多いので、お時間かかるしれませんが、必ずお答えしてきます!
では。
おわり。